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ゲノム編集の衝撃
日々進化する「ゲノム編集」技術の最前線を取材した『ゲノム編集の衝撃 「神の領域」に迫るテクノロジー』が、科学ジャーナリスト賞2017 を受賞しました。(2017年4月26日)
本賞の主催である日本科学技術ジャーナリスト会議は、受賞理由として、
『ゲノム編集』の将来性をいち早く見抜いて、早くから海外取材にも取り組み、この技術が社会に及ぼす計り知れない影響について、分かりやすくまとめた好著である。
著者の素朴な疑問を積み重ねていく取材態度がとりわけ高く評価された。
としています。
なお、本書は2015年7月30日に放送された「NHKクローズアップ現代 “いのち”を変える新技術 ~ゲノム編集 最前線~ 」を書籍化したものです。
⦿受賞の詳細はこちら
“この25年の中で、おそらく最も画期的な生命科学技術”
――山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所所長)
生物の設計図、遺伝子。そこに書き込まれたすべての遺伝情報が、ゲノムだ。
この驚異のテクノロジーは、ゲノムを〝編集〞することで、遺伝子を、そして生物そのものを変える。
食料・エネルギー問題を解決する品種改良。根治できないとされてきた難病の治療。デザイナーベイビーという新たな課題。
遺伝子を自由に操作する――。ゲノム編集は、SFの世界を現実のものとした。
本書は、次のノーベル賞候補と目される、この技術のメカニズムと最新成果を、国内外の研究者への取材を基に明らかにする。
これは複雑な生命現象に、進化を続ける科学技術が対峙する瞬間を目撃したジャーナリストによるレポートである。
◆『NHKクローズアップ現代』の書籍化。
山中伸弥氏による序文と、ゲノム編集の国内における第一人者・山本卓氏(広島大学教授)へのインタビューも収載。
「どんな科学技術でも、よい側面とよくない側面があります。諸刃の剣とでも言いましょうか。このゲノム編集というすばらしい技術のよい面だけを伸ばしたら、人類はますます幸福になることができると考えられます。しかし、よくない面を伸ばしてしまったら、後悔することにもなりかねません。ほんの5年前までSFだと思われていた、人間の設計図を書き換えることが可能になりました。この新しい技術をどう使えばいいのか。科学者だけの議論だけでは十分ではありません。科学者に加えて、生命倫理の研究者や一般の方々も含めた広い議論が必要だと考えています。」
―京都大学iPS細胞研究所所長・山中伸弥(本書「序文」より)