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交渉プロフェッショナル

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NHK出版新書 417

交渉プロフェッショナル 国際調停の修羅場から

[著] 島田久仁彦

発売日 2013年10月10日

新書

品切れ

定価 814円(本体740円)

送料 110円

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商品紹介

世界が認めた交渉の達人が、水面下の真実を語る!

交渉相手の警戒を解き真意を引き出すテクニック、決裂必至の国際会議で合意を作る根回し術、当事者全員に利がある調停の肝は、「戦わない」交渉哲学から生まれた――。コソボ軍事紛争調停からCOP10名古屋議定書採択まで、不可能を可能にした交渉・調停の達人が、知られざる国際交渉の舞台裏を生々しく伝える。日本の底力と可能性を浮き彫りにする、驚きと感動の書。

 本書は、国連の紛争調停官や、気候変動枠組み条約などの締約国会議(COP)の議長、日本政府代表団の交渉官を歴任したプロの交渉人である島田久仁彦氏による、半自叙伝的エッセーです。各国の利害がぶつかりあう国際交渉の現場とはいかなるものか、数々の難所をいかに乗り切ってきたかを、生々しく綴っていただきました。
 二年半前に島田さんを初めて見たときの印象は強烈でした。島田さんは、あるエネルギー政策勉強会の講師をつとめておられたのですが、スーツの映える大きな躯体にくしゃふわっとスタイリングされた短い金髪、TEDに出てくるアメリカ人のように論理的でユーモア(と多少の風刺)のあるスピーチのイントネーションはきっつい大阪弁、そして独自の人脈から直に仕入れたという最新情報は報道ではまったく聞いたことのない驚愕の事実だらけ。しかもときどき、人の心をわしづかみにするような、なんともいえないチャーミングな笑顔を見せるのです。そのリラックスしたたたずまいは、島田さんの話をひと言たりとも聴きもらすまいと全身耳状態の聴講者たちとはいかにも対照的。私も聴衆のひとりでしたが、自分がそこに勉強しに来ているのか、なにか面白い舞台を観にきたのかわからなくなったくらいです。
 その圧倒的なプレゼン力、説得力、情報力、得体の知れない魅力は何に由来するのかを知りたくてお話をうかがうと、なんと若干二十代にして、故・セルジオ・デメロ氏、故・スロボダン・ミロシェヴィッチ氏、コフィー・アナン氏ら、現代紛争史に名を残す人物たちと過酷な現場を共有してきたことがわかり、二度びっくりしました。眼前で来歴を話すその人は本当ににこやかなジェントルマンでしたが、そう言われてみれば、心なしか目だけは笑っていないような気がしてドキっとしたものです。
 現在、島田さんは主な活躍の領域を軍事安全保障問題から環境問題にシフトされていますが、気候変動問題などを話し合うCOPの会場も、国益をかけて各国が言葉の弾を撃ち合うという点では「戦場」です。
 島田さんの文章を読んでいると、年々深刻さ、複雑さを増す環境問題をめぐる交渉において、新興国との複雑な利害対立をどう乗り越え、禍根を残さず協調して前に進んでいけるのか、技術移転で貢献もしながら自国の産業も殺さない策はいかなるものかなど、先進国すべてが直面している課題について深く考えさせられます。
 私たちはふだん、大きな国際会議があってもニュースでその結果を知るのみです。国際的な取り決めの結果は、しばしば私たちの日常生活を左右するほど重大な影響を及ぼすのに、そこにいたる経緯や、真の争点は何だったのかについて知る機会は殆どありません。原稿執筆にあたっては、守秘義務上書いていただけない事項も多々ありました。それでも、本書で語られるエピソードの数々は、国際交渉の真実を知る貴重な布石となるでしょう。
 オリンピック開催決定に沸く日本ですが、ホスト国にふさわしい品格やホスピタリティーは備わっているでしょうか? 近隣諸国のみならず世界の国々と、真の意味で未来志向のパートナーシップを築いていこうという強い信念、そこに寄与するグローバル規格の交渉力こそ、いま求められるものではないでしょうか? 私の目には、著者こそそれを体現する人に映ります。若き交渉プロフェッショナルの熱い思いを、ぜひ感じ取っていただければ幸いです。
(NHK出版 福田直子)

目次

第一章 世界で学んだプロの交渉哲学
第二章 「最後の調停官」と呼ばれて
第三章 いざ、環境交渉へ
第四章 名古屋の七二時間
第五章 「見えない外交」の底力

商品情報

発売日
2013年10月10日
価格
定価:814円(本体740円)
判型
新書判
ページ数
208ページ
商品コード
0088417
Cコード
C0231(政治(含む国防軍事))
ISBN
978-4-14-088417-1