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戦後政治を終わらせる
いまだ敗戦を否認し続けているために「対米従属」を続けざるを得ない日本。『永続敗戦論』で一躍注目を浴びた著書が、占領下から55年体制の成立、冷戦後の混沌から現在まで、日本政治の70年を鋭利に考察、近代資本制社会の行き詰まり、排外主義、反知性主義の横行などの世界的な潮流をふまえながら、真の「戦後レジームからの脱却」の道筋を描く。戦後政治を乗り越えるための羅針盤!
2013年に出版された『永続敗戦論――戦後日本の核心』で一躍脚光を浴びた著者による待望の新書。書き下ろしです。
政治や経済の先行きのみならず、一人ひとりの生活にも不安が立ち込め、誰もが未来の指針を求めているような時代に私たちは生きています。国民不在のままに決められていく政治、不透明なアベノミクスのゆくえ、莫大な財政赤字と社会保障への不安、広がる格差、右傾化や排外主義、ネット炎上・バッシングの横行など、社会のあらゆる領域が急速に「劣化」しているかのような状況…。
この国は、どうしてここまで行き詰まってしまったのでしょうか。
本書では、著者が提起した「永続敗戦」の概念をベースに、(1)55年体制から現在までの国内政治体制の内実、(2)日本の「対米従属」の特殊性とその実相、(3)1980年代以降に世界を覆った新自由主義が日本の政治・社会に与えた影響、の3つ側面から考察、行き詰まりの原因を見極めていきます。
冷戦終結によって55年体制はとっくに崩壊したはずなのに、それに替わる政治体制がいまだ構築されない理由は? 多くの国民が「日本を守るため」と考えている日米安保、その本質とは? ヘイトスピーチや生活保護バッシングなど「反知性主義」的な言動がはびこるのはなぜか? これら具体的な問題についても、著者は切れ味抜群の文章で鮮やかに分析していきます。
本書が目指す最終的なゴールは、書名のとおり「戦後政治を終わらせる」こと。そのために、いま私たち必要とされていることは何か。最後に著者からの「3つの提言」があります。ぜひ、手に取ってお確かめください。(NHK出版 伊藤周一朗)