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読書の価値
より深く、より広く、より自由に。
人気作家が初めて明かす読書の極意。
なんでも検索できる時代だ。娯楽だって山のように溢れている。それでも、本を読むことでしか得られないものがある─。著作発行累計1600万部を誇る人気作家が、並外れた発想力とアウトプットを下支えする、読書の極意を明らかにする。本選びで大事にすべきただ一つの原則とは? 「つまらない本」はどう読むべきか? きれいごと抜きに読書という行為の本質を突く、唯一無二の一冊!
なんでも検索できる時代こそ、本を読む意味がある──。
●僕は本を読むことが苦手だった
●速読は読書とはいえない
●「つまらない本」にも読み方がある
●本選びで大事にすべきただ一つの原則
●僕は一度読んだら忘れない
●「読みやすい本」は流動食と同じだ
●教養とは「保留」できる能力をいう
デビューして二十数年になり、これまでに三百冊以上の本を上梓してきた。最初のうちは小説ばかり書いていた(というよりも依頼があったので、書かされていた)のだが、ここ数年、エッセィや新書を多く執筆している。僕としては、子供のときがそうだったように、虚構の世界よりは現実について書く方が「素直」な行動だと感じているし、未だに、自分で読むものはノンフィクションが九十九パーセントである。それなのに、何故こんな職業に就いてしまったのか、と不思議だ。今でも、ときどき首を捻ひねっている。
しかし、いずれにしても明らかなことは、僕がもの凄く沢山のことをすべて本から学んできた、という事実である。文字がすらすらと読めないハンディを背負いながらも、とにかく本を読むしかなかった。知りたいことは、活字を追うことでしか得られなかったのだ。そして、本を読むことが僕にとって、いつの間にか日常になり、また、そういったインプットを体験していたからこそ、逆にアウトプットする仕事を得られたのである。