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古語と現代語のあいだ ミッシングリンクを紐解く

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電子版

NHK出版新書

古語と現代語のあいだ ミッシングリンクを紐解く

[著] 白石良夫

配信開始 2014年03月25日

電子書籍

ストアにより価格が異なります

商品紹介

「古文」って何? 「現代文」って何?日本人の国語観を揺さぶる一冊!

日本語には「古語」と「現代語」があり、それらで書かれた「古文」と「現代文」との二つがある――我々はなぜそのような錯覚を抱いてしまっているのか。古代文学から近代短歌・小説に至るまでの言葉の変化を丹念に辿り、「古語」と「現代語」の間のミッシングリンクを探しつなげることで、我々の国語観を揺さぶり、豊饒な国文学の世界に誘う。

 例えば、『源氏物語』の原文を読んでみようした場合、どうするでしょうか。傍らに古語辞典と文法解説書を置き、今はもう使われていない言葉や、使われているけれど意味が違ってしまった言葉が出てきたら古語辞典で調べ、意味がとれない言回しが出てきたら文法書で確かめながら読むことになるでしょう。それは外国語を読むことと何が違うのでしょうか。古語辞典を使うことが良くないということではありません。『現代物語』の言葉と、自分たちが普段使って読んでいる言葉があまりにも違うので、その「つながり」を感じとることができず、あたかも外国語を学ぶかのように勉強してしまうという意識のあり方が、古典を読むことの面白さと醍醐味から自らを遠ざけてしまっているのではないかと思うのです。
 本書の著者は、長年にわたって文部省(現・文部科学省)で教科書調査官(国語)として教科書検定に携わっていた異色の国語国文学者です。ご存知のように高校では国語は「現代文」と「古文」とに教科が分かれます。それはあくまで便宜的な区分けであって、「古文」「現代文」を読むことに何の違いもなく、「古語」と「現代語」は地続きである――そのことを教科書になんとか反映すべくして、果たせなかったという思いから本書は生まれました。
 古語と現代語のあいだの、どの地点でミッシングリンク(失われた輪)になってしまったのか。それはなぜそうなってしまったのか。本居宣長が現代語訳した「あやなし」、林羅山が誤って濁点を附した「おごめく」、若山牧水の名歌中の「かなし」……古代から中世、近世、そして近代へと、言葉の語意や読みの連続していく変化を丹念に辿りながら、その地点を探り出し、自らの仮説を提示していく著者の手法はスリリングそのものであり、近世文学を専門としながら、専門外の分野においても刺激的な論考を発表してきた著者の面目躍如たるところがあります。
 本書の中で著者が何度も強調するのは「古語ははじめから古語だったのではない。現代語もいつまでも現代語ではあり続けない」という、普段自分たちが感じとれていない当たり前の事実です。本書を一読いただき、理屈としてだけでなく実感としてそう感じとってもらえたならば、と願っています。
(NHK出版 高井健太郎)

目次

序章 きりぎりすはいまのこおろぎか
第一部 地続きの「古典」と「近代文学」
第二部 擬古文のなかの「古語」
第三部 歴史的仮名遣い論者のミッシングリンク

商品情報

配信開始
2014年03月25日
価格
ストアによって異なります
データ形式
epub/xmdf
JP-eコード
1408840901000000000g