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憲法の条件 戦後70年から考える

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電子版

NHK出版新書

憲法の条件 戦後70年から考える

[著] 大澤真幸 [著] 木村草太

配信開始 2015年04月30日

電子書籍

ストアにより価格が異なります

商品紹介

憲法をつくり直す資格が、あるだろうか――

戦後70年、日本人は憲法を本当の意味で「自分たちのもの」としてきただろうか。集団的自衛権行使をめぐる解釈改憲を機に、博雅の社会学者と若手随一の憲法学者が、「法の支配」が実現する条件や、ヘイトスピーチ問題が社会に投げかけるもの、そして民主主義の要である議会がなぜ空転するのかを真正面から考える。私たちの覚悟を問い、未来を展望する白熱の対論。

 本書タイトル『憲法の条件』の「条件」には、さまざまな意味が含まれています。まずは、憲法が憲法であるための条件。これはトートロジーのようですが、憲法が成立するための法学的な要件だけでなく、真の意味で機能するために、国民がそこに書かれた普遍的な理念をこの国の目指すべき理想として、お題目ではなく身体ふかくまで染みついているかのように共有できているか、ということも含意しています。
 小学校以来、幾度となく覚えさせられた日本国憲法の前文、人権規定条項、九条。そして、立憲主義や議会民主制という言葉。それらはいまの日本社会で、実現されていますか? みなさん、大切な価値として意識しながら暮らしていますか? 心の中では、そんなの建前だとわりきっていませんか?
 しかし、集団的自衛権の次には、改憲をめぐる論議が控えていることは明らかです。いまや現代日本を代表する思想家のひとりといっていい社会学者の大澤さんと、つねにアクチュアルな問題提起を行う「モノいう憲法学者」木村さんが本書で問うているのは、私たちに、日本国憲法をもつ資格があるか、自分たち自身で選び直したり、書き直す覚悟があるのか、ということです。彼らは、普遍的な価値(たとえば、自由とか平等と公共とか)を、政治を筆頭とする現実社会にいかに取り戻すかについて、さまざまな角度から議論します。
 大澤さんがたくみなアナロジーを用いて抽象的な概念をかみくだき、現況に当てはめて問題提起すれば、木村さんが法学の教科書的な解説からどのように憲法を「書き換えるか」という具体的な提案まで、職業的良心というのはこういうものかと実感させられる真摯さで応じます。
 太平洋戦争終戦70年を迎えた年初、「天皇陛下のご感想」が、メディアのとりあげ方を含め話題となりました。この一事をみても、木村さんが憂慮する「護憲派と改憲派の深刻な分断」(とそれに乗っかるわれわれメディアの風潮も含めて)がすすんでいるのは明らかです。現状はけしてよいとはいえませんが、「憲法について考えることは、本来とても楽しいこと」という大澤さんの話を聴いていると、本当にワクワクしてくるから不思議です。「憲法の話なんて難しそうだし退屈そう」という先入観を持っている方にこそ、楽しく読んでいただきたい一冊です。
(NHK出版 福田直子)

目次

まえがき   大澤真幸
第一章 「法の支配」と「空気の支配」
第二章 幻想の「国体」と日本国憲法
第三章 ヘイトスピーチ化する日本
第四章 偽りの「集団的自衛権」
第五章 議論なき議会と「空気」の支配
第六章 憲法を私たちのものにするために
あとがき   木村草太

商品情報

配信開始
2015年04月30日
価格
ストアによって異なります
データ形式
epub
JP-eコード
1408845201000000000e