はなは、『赤毛のアン』を翻訳した村岡花子さんをモデルにした人物です。実はこれまで、『赤毛のアン』を読んだことがありませんでした。アニメやミュージカルを見て話の筋は知っていたのですが、活字を通して物語に触れたのは、役をいただいてから。アンのキラキラした表情や自然の風景など、読むほどに自分なりの想像がふくらみ、これが本の魅力なんだと実感しました。
原書の翻訳は、今のように情報が簡単に手に入らない中で成し遂げられたもの。クランクインの前に花子さんの書斎が残されている「赤毛のアン記念館・村岡花子文庫」を 訪れ、お孫さんの村岡恵理さんとお話しさせていただきましたが、花子さんは亡くなる直前まで「書く」ことをやめなかったそうです。アンのような女性だったともおっしゃっていました。はなを演じていても、夢見がちなところや、逆境にも逃げずに立ち向かうポジティブなところに、アンと似た魅力を感じます。
はながどういう家庭で育ち、どのようにして東京の女学校に入り、英語に目覚めたのか。その過程は、子役の山田望叶ちゃんが演じます。とても大事な時期だと思うので、脚本を読み込みました。幼いはなの経験を自分の中に入れ、人生の流れを紡いでいくために。