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帰れないヨッパライたちへ

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NHK出版新書 384

帰れないヨッパライたちへ 生きるための深層心理学

[著] きたやまおさむ

発売日 2012年07月10日

新書

在庫あり

定価 902円(本体820円)

送料 110円

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商品紹介

作詞家 精神分析学者・きたやまおさむのライフワーク!

外に向かって勝負せず、内向きの足の引っ張り合いに終始する現代日本。その根元に潜むもの――精神的にいまだ「母―子」の二者関係が支配する「天国」にとどまり、父親的なライバルが出現する「母―子―父」の三角関係をこなしきれない心のあり方を問いかける。私たちが真に自立して生きる道筋はどこにあるのか。きたやま深層心理学の集大成にして最適の入門書。

 サッカー日本代表の本田圭佑選手、長友佑都選手、香川真司選手、あるいはテニスの錦織圭選手……世界でガシガシ勝負して、厳しい競争を勝ち抜いて、そのこと自体を楽しんでいる若きアスリートたち。彼らなどを見ると清々しさを感じるとともに、嫉妬することも嫉妬されることにも強い「新しいタイプの〈日本人〉が生まれつつあるなあ」と思ってしまいます。一方、国内の目を転じれば、相変わらずの“足の引っ張り合い”に“出る杭の打ち合い”に疲弊しお互いに縮こまっている大人の世界があります。本書は、そうした変わりつつあるけれど変われない日本人の深層心理を、「二者関係」「三角関係」といったタームも使って考えていこうというものです。
 著者のきたやまおさむ(北山修)氏は、あの伝説のザ・フォーク・クルセダーズのメンバーとして『帰って来たヨッパライ』でデビューし、バンド解散後は『あの素晴しい愛をもう一度』などの作詞家として活躍する一方、本業では精神分析医・精神分析学者として日本人にとっての精神分析を提示し続けています。そんな著者の終世のテーマというべきものが、本書の中で追究されている「二者関係」「三角関係」論であり、それをベースとした「嫉妬の心理学」です。そもそも『帰って来たヨッパライ』は、天国で綺麗なねえちゃんとのウハウハしていたヨッパライに、「ナアお前?」と嫉妬深い神様が介入してくる「ねえちゃん(母)―ヨッパライ(僕)―神様(父)」の三角関係を歌った曲でもあったのです。その思わぬ大ヒットによって、「みんな」から嫉妬されているという恐怖を抱き、ロンドンに退避し、そこで精神分析に出会い救われる……本書では、そうした著者自身の体験も振り返りながら、嫉妬する/されることを厭い、図太く生きられないに私たちの奥底にあるものを探ります。そして、そこに、精神的に「母―子」の二者関係にいまだ強く捉われ、父親的なライバルが出現する三角関係をうまくこなさない「心」のあり方があるのではないかと問うていきます。
 しかし、三角関係に強くなるためには、二者関係をただ切り捨てればいいということではないのです。厳しい三角関係を生き残るためには、時に避難所となってくれる「あなた」との二者関係こそ確保されていなければならないのだと著者は強調します。先にあげた競争社会で戦っている若きアスリートたちにも、きっと、よい第二者がいるのだと思います。
 本書タイトルの『帰れないヨッパライたち』の「帰れない」とは、「天国から現実に帰れない」という意味です。「帰れないヨッパライ」を自認する中高年の方々にも、また、これから世界に羽ばたかんとする若い方々にも、本書を是非手にとって読んでいただきたいと願っています。
(NHK出版 高井健太郎)

目次

序章 私はこうして精神科医になった――「嫉妬」を考える
第一章 私たちの心の底にあるもの――「あれもこれも」という甘え
第二章 「あなた」が「みんな」に豹変するとき――裏切りの心理学
第三章 人生は「三角関係」である――心の基本構造
第四章 私たちはどうして神経質なのか――フロイトの発達理論
第五章 人はどのように「三角関係」に出会うのか――言語のエディプス構造
第六章 「あなた」が私を裏切るとき――「幻滅」の精神分析
第七章 成長を阻むもの――羨望恐怖と嫉妬不安
第八章 私たちはなぜ傷つくことを恐れるのか――自己愛のメカニズム
第九章 安心して生きるために――専門的な第二者を得る
終章 嫉妬をこなすこと、生き残ること――「普通の深層心理学」を理解する

商品情報

発売日
2012年07月10日
価格
定価:902円(本体820円)
判型
新書判
ページ数
264ページ
商品コード
0088384
Cコード
C0211(心理(学))
ISBN
978-4-14-088384-6