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資本主義という謎

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NHK出版新書 400

資本主義という謎 「成長なき時代」をどう生きるか

[著] 水野和夫 [著] 大澤真幸

発売日 2013年02月09日

新書

在庫あり

定価 946円(本体860円)

送料 110円

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商品紹介

資本主義は変貌しつつあるのか?  それとも終わろうとしているのか?

なぜ西洋で誕生したのか?なぜ支配的なシステムになりえたのか?――経済事象のみならず、私たちの生き方をも規定している資本主義。その本質について、十六世紀からの歴史をふまえ、宗教・国家・個人との関係にいたるまで徹底討論。はたして「成長」がなくとも幸福で活力のある社会を構築することはできるのか。世界経済の潮流を見据え、未来を展望するスリリングな討論。

 そもそも「資本主義」って何なのでしょうか。
 言うまでもなく、格差や貧困、環境汚染といった現代社会の喫緊の問題の根元には、この資本主義というシステムがどっかりと横たわっています。現代の日本で暮らしていて、資本主義と無関係な人は誰一人としていないといってもいいでしょう。しかしながら、資本主義とはそもそも何か、そう聞かれるときちんと答えられる人は案外少ないのではないでしょうか。

 本書は、その「資本主義って何なのか」について、エコノミストの水野和夫さん、社会学者の大澤真幸さんが徹底討論したものです。この問題は、歴史上の偉人たちがずっと格闘してきた難問中の難問。経済学のみならず思想、歴史、宗教など、さまざまな分野の成果を総動員しなければ立ち行きません。それだけに異分野で大活躍しているお二人のやりとりは、実にスリリングなものになりました。膨大な知識を駆使して、ときに交錯し、ときに対立しながら、難問の正体をあぶりだしていく……。なぜ西洋で誕生したのか。キリスト教とどういう関係があるのか。これから中国の時代がやってくるのか。読み進めるうちに、疑問がひとつずつ解きほぐされていきます。

 水野さんは、16世紀からの歴史をふまえて、いま資本主義は「400年に一度の大変革」の渦中であると言います。詳しくは本書のなかで明らかになりますが、バブルが必ずはじけるように、過剰な資本主義はどこかで行き詰まりにぶつかる。それが今です。アベノミクスによって、日本経済再生への希望がにわかに見えつつありますが、一時的なカンフル剤に過ぎないという見方もあります。重要なのは、そもそも経済成長することだけが「希望」なのかということです。それだけが私たちを本当に幸せにする方法なのでしょうか。本書の最後で、大澤さんは将来世代のような、今はまだ存在しない「未来の他者」との連携こそがその突破口になることを示唆しています。
 歴史が教えてくれるのは、これまでの資本主義のやり方ではすべての人間を幸せにすることはできないということでした。世界に先駆けてゼロ成長社会に突入しつつある日本。本書がそこで生きる一人ひとりにとって、未来への羅針盤になれば本望です。
(NHK出版 山北健司)

目次

第1章 なぜ資本主義は普遍化したのか?
第2章 国家と資本主義
第3章 長い二一世紀と不可能性の時代
第4章 成長なき資本主義は可能か?
第5章 「未来の他者」との幸福論

商品情報

発売日
2013年02月09日
価格
定価:946円(本体860円)
判型
新書判
ページ数
320ページ
商品コード
0088400
Cコード
C0233(経済・財政・統計)
ISBN
978-4-14-088400-3