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「うまいもん屋」からの大阪論

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NHK出版新書 357

「うまいもん屋」からの大阪論

[著] 江弘毅

発売日 2011年08月10日

新書

品切れ

定価 858円(本体780円)

送料 110円

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商品紹介

キタ・ミナミから北摂・京阪神まで??

仕事帰りのビジネスマンでにぎわうキタの串カツ屋、カウンター越しのライブ感を味わうミナミの割烹、芦屋の「大阪より大阪らしい」うどん屋。地元の常連と料理人のやり取りや、店のたたずまいから見えてくるもの。「うまいもん屋」を訪ねれば、その「街」のすべてがわかる――ナニワの名物編集者・江弘毅による、極上の「街場論」。

 本書の著者である江さんに初めてお会いしたときも申し上げたが、東京から新幹線に乗って大阪に降り立つと、とても緊張するのである。同じ国であってないような、パリやニューヨークに行ったときよりも(NYに行ったことはないが)よほど緊張する。それはおそらく「情報」の街に慣らされた身体が、「人間」の街に来たことの反応なのだろう。大阪駅の立ち食いうどん屋のおじちゃんの「まいどおおきに、きいつけて?」という掛け声は、東京のそれとは明らかに違う。
 そうした「大阪的なるもの」の本質を語らせたら、やはり江さんの取材と遊びの経験の右に出るものはいないと思う。「実名的存在」である自分と「匿名的存在」である自分をともに受け入れてくれ、「一見さんお断り」ではないけれど「馴染み感」があるという成熟された「街場感覚」が、そのハードボイルドな筆致から滲み出てくる。だから、本書片手に食べ歩き、というよりも、本書を読み切ったという感触だけを身体を残したまま、大阪の街をさまよい歩いていだだきたいと願うところである。
(NHK出版 高井健太郎)

 江氏が描く「うまいもん屋」には、強烈な吸引力がある。
 阪神芦屋にある、どう見ても一番大阪らしいうどん屋、「昼間から串カツで立ち呑みしている姿を誰かに見られたら格好悪い」と思いつつも、つい入ってしまう「勢い」の店、それぞれの街の「スタイルの本場」である郷土料理としてのお好み焼き。
 東京に来て10年となる元・大阪人(と言い切れない北摂育ちだけど)としては、原稿を読むたびに「コシのある讃岐系ではない、ぷちっと切れやすく柔らかい昔ながらの大阪のうどん」を食べたい、という思いと戦うのに必死だった。
 関西人であろうがなかろうが、この吸引力には抗しがたいはず。本書を読みながら「うまいもん」食べたさに身悶えるもよし、読後に自分で「うまいもん屋」を探しに行くのもよし。ぶらりと出歩きたくなる、一冊である。
(NHK出版 松原あやか)

目次

第一章 ミナミ――最も大阪らしい「街場」と「うまいもん」のスタイル
第二章 キタ――大ターミナルと北新地の「大阪的」
第三章 船場――店に見る「船場らしさ」
第四章 大阪24区――「駅ごとに違う街」の違い方
第五章 北摂、芦屋――大阪が作った郊外と大阪人DNA
第六章 京都――「独特」に凄む「京都らしさ」
第七章 神戸――「港町人」気風の開かれ方と軽やかさ

商品情報

発売日
2011年08月10日
価格
定価:858円(本体780円)
判型
新書判
ページ数
256ページ
商品コード
0088357
Cコード
C0295(日本文学評論 随筆 その他)
ISBN
978-4-14-088357-0