住吉酒造社長・田中大作役の西川きよしさんは、本当に楽しい方です。社長とマッサンは、どこか憎めないところや脇が甘い部分が似ています。血のつながりがあるような安心感がありますし、僕の新しい引き出しを開けてくださるのを感じます。
鴨居欣次郎役の堤真一さんは真面目なだけでなくユーモアもあり、冗談を言っては現場を和ませてくださいます。大勢の登場人物の中で、唯一マッサンが憧れるのが鴨居です。マッサンだけではなく、まさに僕自身も堤さんから影響を受けています。
自分らしいマッサンをお届けできたらという思いはもちろん、今までの朝ドラの伝統やセオリーを少しだけ崩して、新しいものを心地よく皆さんにお届けしたいという気持ちもあります。朝起きてマッサンを見て、「ダメなところもあるけれど、一生懸命やっている姿がなんだか愛らしい」「逆境が重なっても、それに立ち向かう姿勢がいじらしくて応援したくなる」などと感じてもらえる、長所も短所も含めた人間らしさを、たくさん見せていけたらと思っています。
また、シャーロットさんの頑張る姿から、僕は救われている部分が多くあります。今、自分はこんなに大変だけど、言葉の壁や環境の違いなど、彼女はもっと根本的なところから大変なんだと思うと、僕は弱音を吐けない(笑)。でもだからこそ、さらに頑張ろうと強くいられる。まさにマッサンとエリーの関係もそうだと思うんです。
国際結婚が珍しかった時代、彼らはどうやって苦難を乗り越えたのか。夢を追うことのすばらしさや、不器用な夫婦の成長ぶりを、楽しみながら見ていただけたらうれしいです。