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ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』 2021年11月
世界文学史上、最高傑作の一つといわれる本作は、ドストエフスキーが人生の集大成として執筆した大長編小説である。家族・宗教・恋愛・嫉妬・善悪・友情・殺人・破滅といった様々なテーマが盛り込まれ、壮大かつスリリングなドラマを展開する傑作を、執筆当時のロシア社会の光と影(農奴解放、投機と拝金主義、キリスト教異端派の存在、社会主義革命の萌芽)を手がかりにロシア文学研究の第一人者が解説。物語が四つの層によって構成されていること、また、この物語の先に「書かれるはず」だった「第二の小説」があることを想定すれば、ドストエフスキーの「意図」が見えてくると著者はいう。難解かつ長大な本作を読み通すためのカギが詰まった一冊。
【2019年12月のアンコール放送】
チャンネル | 放送日 | 放送時間 |
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Eテレ(本) | 月曜 | 午後10:25~10:50 |
Eテレ(再) | 水曜 | 午前5:30~5:55 |
Eテレ(再) | 水曜 | 午後0:00~0:25 |
ロシア文学者、名古屋外国語大学学長、世田谷文学館館長。1949年、栃木県生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。天理大学、同志社大学を経て1990年より東京外国語大学外国語学部助教授、教授、同大学学長を歴任。2013年より名古屋外国語大学学長、2021年より世田谷文学館館長。専門はロシア文学、ロシア文化論。主な著書に『磔のロシア』(大佛次郎賞/岩波現代文庫)、『謎とき『悪霊』』(読売文学賞/新潮選書)、『ドストエフスキー 父殺しの文学』(NHKブックス)、『新カラマーゾフの兄弟』(河出書房新社)、『『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する』(集英社新書)などが、主な訳書にドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(毎日出版文化賞/光文社古典新訳文庫)などがある。