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吉本隆明『共同幻想論』 2020年7月
1968年、学生運動が最高潮に達し、「最後の政治の季節」に登場した一冊の書物が『共同幻想論』だ。全共闘世代に熱く支持され、貪り読まれた本書は、「信じるとはなにか」「国家の起源とは」「国家とはなにか」という問いに対して深く、本質的にとことんまで考え、向き合った吉本隆明の格闘の記録でもある。
「個人幻想」「対幻想」「共同幻想」という3つのキーワードも有名だが、一方で本書はきわめて難解な内容でも知られる。吉本の主著とされ、戦後、日本人が国家について考えた最高峰とされる『共同幻想論』、その現代的意義に寄りそいながら読み解く。同時代を生き、『共同幻想論』が発した爆発的威力を知っている世代だけではなく、それ以外の人たちにも戦後最大の知識人、吉本隆明に入門できる格好の解説書。
チャンネル | 放送日 | 放送時間 |
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Eテレ(本) | 月 | 午後10:25~10:50 |
Eテレ(再) | 水 | 午前5:30~5:55 |
Eテレ(再) | 水 | 午後0:00~0:25 |
1975年東京都生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。東北大学大学院文学研究科日本思想史専攻博士課程単位取得修了。フランス社会科学高等研究院に留学。文学博士。日本大学危機管理学部教授。専攻は近代日本思想史・日本倫理思想史。主な著書に『高山樗牛――美とナショナリズム』(論創社)、『ナショナリズムの復権』(ちくま新書)、『違和感の正体』『バッシング論』(ともに新潮新書)、『未完の西郷隆盛――日本人はなぜ論じ続けるのか』(新潮選書)など。現代語訳と解説に福澤諭吉『ビギナーズ日本の思想 文明論之概略』(角川ソフィア文庫)などがある。